タイトルの作品と、『チベットの女、イシの生涯』
を見てきました。
どちらも、十三の第七藝術劇場。

『チベットの女・・』は、イシという女性の、男性に愛される生涯を描いた作品。
チベット自治区の文化がよくわかるが、中国政府肝いりの製作だけあって、
中国に悪いようには書いてない。

特に面白かったのは、
中国(共産党)が第二次大戦後チベットを支配した時に、
ラサで暴動が起きて相当の数の人が殺されたとされているのに、暴動が起きた、でさらっと流されたところで、
その他にも、
共産党のおかげで、農地が解放されて、生活が豊かになった、とされ、
毛沢東の写真が飾られ、
ダライラマの話は一切出てこない。
このへんは、お〜い、って感じだったけど、
役者達は皆いい演技だったし、面白かった。

個人的には、一緒に、イシの旦那のいる村まで旅をした、イシの幼馴染(僧侶)がよかった。
実は途中で聖地を通り、修行すると言って瞑想に入ってしまうのだが、
二人きりで、野を越え、山を越え、吹雪を耐え、これでよく手を出さなかったな〜、信仰心で耐えたんやろうな・・
ってことを考えていた。

『マルタ…、マルタ』は、母親(家族)に愛されなかった女性が、
幼い娘を愛することができずに、だんだん狂っていくという物語。
冒頭の、親に何年ぶりかに再会した際、
母親に、姉のマリーと"わざに"間違えられるというシーンがあり、
ここだけが、家族に愛されずに育ったという、唯一の場面になる。
様々な場面が、言葉足らずで、謎が残る映画だけれども、
それだけに深く深く、いろんなことを考えることのできる作品だった。
個人的には今年一番。(まだ二ヶ月だけど)

幼い娘の、母親にどれだけひどいことをされようとも、母親への愛を失わないという、
端々に現れるその台詞やしぐさに、子供は親を愛するんだな、と思わさせられた。

でも、どんなに親を愛しても、その親には愛されない、
そのギャップが、子供を深い苦悩に陥いれるのだろう。

母親であるマルタが、娘に、
「ごめんね、もういじめたりしないから」といったのに対して、
娘が、
「ううん、ママはいじめてないよ、遊んでいただけでしょ」っていうのが、
この映画の核心を貫いているな、と思った。

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